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2021.09.16

【保存版】小説本文におすすめのフォントとは?実例つきでやさしく解説

小説の同人誌を作る際、気になるのが本文フォントではないでしょうか?この記事では、自分で実際に小説本を10冊以上作ってきた私が、フリーフォントから有料フォントまで、小説本文での組みイメージについて画像付きで紹介していきます。小説本文で使用されるフォントは明朝体が基本本文フォントを紹介していく前に、前提としてフォントの種類を簡単に説明していきます。フォントには、線の太さがほぼ均一で視認性に優れる「ゴシック体」と、線が細く可読性に優れる「明朝体」があります。小説本文など、縦書きの印刷物で使用されるのは基本的に、上記2種のうち後者の「明朝体」です。市販の文庫本でも、縦書きの本文は明朝体で印刷されていますよね。よって、特にこだわりがなければ、本文フォントでは明朝体を選ぶことをおすすめします。小説本文フォントの選び方とは? 次に、小説本文フォントの選び方ですが、結論から言うと、「自分の手の届く範囲で、自分の本文の雰囲気に合ったフォントを選ぶ」ことをおすすめします。手の届く範囲のフォントとは?「手の届く範囲で」とは、フォントにも無料のものと有料のものがあるためです。たとえば、ハヤカワ文庫から出版されている小説の多くで目にすることができ、レトロ系の独特の雰囲気から小説本文での人気が高い「イワタ明朝体オールド」は、買い切りで約16,000円します。この値段を安いと思うか高いと思うかは人それぞれですが、趣味の同人誌で小説本を1冊だしてみたい、というレベル感であれば手を出しにくい、と思われる方も多いかと思います。個人的には、はじめての1冊であればフリーフォントの選択をおすすめします。予算的にも手探りの状況である場合が多いと想定されることと、初めての本作りで小説本文フォントの精緻なニュアンスに気を使えるかというと、それどころではないことが想定されるためです。■参考記事【保存版】同人誌制作に使える!おすすめの日本語フリーフォントまとめ一方で、何冊も小説本を出してきて、不定期でも今後、小説本を出していく予定がある場合は、思い切って自分の好きな雰囲気の有料書体を購入するのも手です。よって、まずは自分の状況を見つめた上で、どのフォントを選択するか決めることをおすすめします。■参考記事【保存版】一段上のクオリティを!おすすめの有料日本語フォントまとめ自分の本文の雰囲気に合ったフォントとは? 次に、「自分の本文の雰囲気に合う」フォント選びについてですが、これは、自分の書く文章のジャンルや雰囲気に合わせたニュアンスを持つ書体を選ぶということです。たとえば、書いているジャンルがクラシカルなものであれば、伝統的な雰囲気を醸し出す前述の「イワタ明朝体オールド」などが合いそうです。一方で、特にイメージの指定はなく、表情をつけずに読んでもらいたい、ということであれば、現在市販書籍の本文書体でもっともよく使われる書体のひとつである「リュウミン」などが良さそうです。有名どころだと、ハリー・ポッターの本文フォントがリュウミンですね。フォント選びでは、フォントの見た目とそこから感じ取れる印象をもとに、自分の作りたい小説の雰囲気ともっともよく合いそうなフォントを選ぶことをおすすめします。次の段落から実際に、フリーフォント・有料フォントそれぞれの、小説本文の組みイメージを紹介していきます。フリーフォントの小説本文組みイメージ2種 IPAeX明朝IPAex明朝の小説本文の組み見本です。ニュートラルで癖の少ない佇まいで、フリーフォントの中では個人的にはかなりおすすめです。■参考リンクIPAex明朝の公式ダウンロードページはんなり明朝はんなり明朝の小説本文の組み見本です。小ぶりでやさしくふわりとした、桜の花びらのような雰囲気のある書体です。■参考リンクはんなり明朝の公式ダウンロードページ有料フォントの小説本文組みイメージ5種游明朝遊明朝の小説本文の組み見本です。「時代小説が組めるような明朝体」をキーワードに開発された書体です。ヒラギノ明朝ヒラギノ明朝の小説本文の組み見本です。広告の見出しから本文まで幅広く使用できる、印象の明るい書体です。リュウミンリュウミンの小説本文の組み見本です。森川龍文堂明朝体をベースに開発された、均整のとれた美しさを持つ書体です。小塚明朝小塚明朝の小説本文の組み見本です。本文から見出しまでの幅広い用途に利用でき、やや丸みが強く、ひらけた印象を受ける書体です。小塚明朝はAdobe Fontsに収録されている書体のため、PhotoshopやIllustratorなどのAdobe製品を利用していれば追加料金なしで使用することができます。■参考リンク小塚明朝のAdobe Fontsページ筑紫明朝活字に似た墨溜まりを感じさせるだけでなく、伸びやかな印象を受ける書体です。フォント選び・フォント利用時の注意点ここまで、「自分の手の届く範囲で、自分の本文の雰囲気に合ったフォントを選ぶ」ことを念頭に、該当書体における実際の本文組みイメージを紹介してきました。自分のイメージに合うフォントを見つけた際、他に気をつけるべきことを以下にて紹介します。①商用利用可能かどうかフォントには上記でも紹介したように、無料で使用できるフリーフォントと有料で利用する有料フォントがあります。そのうち、有料フォントは商用利用OKのフォントが多いですが、フリーフォントは商用利用はNGのものも少なくありません。利用する際は必ず、書体ごとの利用規約を読み、商用利用しても問題ないかどうか確認することをおすすめします。ちなみに、モリサワさんでの商用利用の定義は以下です。印刷物での頒布テレビ等でのテロップ・フリップ表示(映像等の表示も含む)ゲームソフトでの表示および頒布ビデオ、DVDでの表示および頒布インターネットでの表示および頒布印鑑、スタンプ等の作成および頒布引用:モリサワ公式サイト②等幅フォントかプロポーショナルフォントか等幅フォントとプロポーショナルフォントという言葉を聞いたことはあるでしょうか。「等幅フォント」とは、文字の持つ文字幅が同じフォントのことです。一方で、「プロポーショナルフォント」とは、文字毎に文字幅が異なるフォントのことを言います。一般的に、新聞や小説などの長い縦書きの文章は「等幅フォント」で組まれています。各文字の文字幅が異なるプロポーショナルフォントよりも、文字ごとの間隔が変わらない等幅フォントの方が読みやすいためです。わかりやすい例として、「MS 明朝」と「MSP 明朝」があります。MSP 明朝の「P」は、「プロポーショナルフォント(Propotional font)」の「P」です。よって、文字ごとに文字幅が異なるフォントです。逆に、MS 明朝は「等幅フォント」になります。同じ文字のかたちでも、種類によって文字幅が変わるため、見た目に変化が起きるのですね。フォントを選ぶ際は、頭の片隅にこのことを意識しておけるとより良いかなと思います。その他さらに気になる方は、プロ目線で書体の選び方について各フォントの大きさや太さを数値化し、丁寧に説明されているこちらの記事がおすすめです。引用:あなたは今、どんな書体で読んでいますか?/鳥海修【後編】 神楽坂ブック倶楽部イベントレポート■参考記事あなたは今、どんな書体で読んでいますか?/鳥海修【後編】 神楽坂ブック倶楽部イベントレポート組版の数値設定や細かな文章作法に興味がある方は、以下の本もおすすめです。『タイポグラフィ08 書体の選び方・組み方・見せ方』では、原寸大の本文組版を見ながらどのような意図でどのような処理をしたかの説明が見られたり、タイトルをまとまりよく見せるための組み方のコツなどを学べます。リンクまとめ ここまで、実際の小説本文組みイメージや、気をつけるべきポイントについてご紹介してきました。まとめると、様々なフォントをまずは知り、印象を覚えるフォント選びにおける注意すべき点をおさえる自分の物語のイメージに合う書体を予算の中で選ぶ上記3点をおさえるイメージで本文書体は選んでいけると良いのかなと思います。また、InDesignで小説本文の具体的な組み方については以下の記事で紹介しておりますので、気になる方はぜひ、読んでみていただけたら嬉しいです。■参考記事InDesignで小説本の組版を作る方法とは?実例付きでやさしく解説この記事を読まれた方にとって少しでも、本文書体選びがワクワクするきっかけになればとても嬉しいです!

2020.06.21

【保存版】一段上のクオリティを!おすすめの有料日本語フォントまとめ

趣味で創作活動を行う上での強い味方、フリーフォント。一方で、同人誌や創作周りのデザインに慣れてくると、有料のフォントも使ってみたくなるのではないでしょうか?この記事では、有料日本語フォントについて「明朝・ゴシック・デザイン書体」のカテゴリごとにご紹介します!おすすめの日本語有料フォント:明朝体游明朝「游明朝」は、字游工房さんご作成のフォントです。游明朝体ファミリーは「時代小説が組めるような明朝体」をキーワードに、単行本や文庫などで小説を組むことを目的に開発した游明朝体 Rを核とした明朝体ファミリーです。文字の大きさの揃った現代的な明るい漢字と、伝統的な字形を生かしたスタンダードな仮名の組み合わせは、これまでの明朝体とは違う、游明朝体の大きな特徴です。引用:字游工房公式サイト上記のように字游工房さんの公式サイトにも書かれているように、「游明朝」は小説本文を組むことを目的とした書体です。私も自分の小説本でよく使用しており、B6サイズで組んでみると以下のような印象の組版になります。ニュートラルで落ち着いた印象を受けるので、個人的には文字書きさんにおすすめしたい書体です。macには標準搭載されており、Windowsであれば8.1から標準搭載されています。買い切りの場合は、Amazonの游明朝パッケージページ游明朝体Pr6N Rや、FONT FACTORYの字游工房さんページから購入可能です。■購入先リンク・Amazon:游明朝パッケージページ・FONT FACTORY:字游工房ページリュウミン「リュウミン」は、モリサワさんで販売されているフォントです。「リュウミン」は、その名の元となった森川龍文堂明朝体をベースに開発した、スタンダードな明朝体です。金属活字に由来する彫刻刀の冴えを、左右のハライや点の形に活かしながらも、縦画・横画の先端やウロコにはやわらかさをもたせており、親しみやすい雰囲気になっています。特に、均整のとれた流れるような表情の美しさには定評があり、本文組みから見出しまでDTPの基本書体として幅広く使用されています。引用:モリサワ公式サイトとモリサワさんのリュウミンページにも書かれているように、流れるようなうつくしさと独特の柔らかさがある書体です。使用したい場合は、モリサワさんが販売されている書体のサブスクリプションサービス「モリサワパスポート」を購入するか、モリサワさんの取り扱い書体の中から好きな数書体だけを選んで使える「Select Pack」シリーズで購入することで使用可能です。Amazonやビッグカメラなどの大型サイトでも購入可能ですが、モリサワさんの公式から買うのが一番わかりやすいです。ほしいなと思われた場合は下記、モリサワさんの公式サイトをご覧いただけたらなと思います。■購入先リンクモリサワ公式サイトヒラギノ明朝「ヒラギノ明朝」は、字游工房さんが手がけ、SCREENグラフィックソリューションズさんで販売されているフォントです。ヒラギノフォントは、画像を多用するビジュアル雑誌への使用を主ターゲットとして開発された書体です。日本におけるモダンなタイプフェイススタイルの流れの中で、ヒラギノシリーズは、オーソドックスでベーシックな雰囲気を保ちつつ、明るくシャープであり、かつ現代的でクールなイメージをデザイン要素として加味しています。息の長い書体として長く使われることをめざし、細部に至るまで完成度にこだわっています。引用:SCREEN ヒラギノフォント総合情報サイト上記で書かれているように、「ヒラギノ明朝」は、クールなシティー感に加えてウェイトが豊富で様々な用途に使用できる書体です。macでは標準フォントとして搭載されています。Windowsユーザーの方で使用したい場合は、SCREENさん公式サイトで紹介されている直接販売サイトのどこかで購入されるか、ボリュームライセンスとして利用台数に応じた購入方法があります。もしくは、年間ライセンス型契約として、リュウミン同様、モリサワさんが販売されている書体のサブスクリプション型フォント提供サービス「モリサワパスポート」を購入するか、モリサワさんの取り扱い書体の中から好きな数書体だけを選んで使える「Select Pack」シリーズで購入することで使用可能です。■購入先リンクSCREEN公式サイト販売店一覧モリサワ公式サイト筑紫Q明朝「筑紫Q明朝」は、フォントワークスさんで販売されているフォントで、デザイナーは藤田重信さんです。筑紫書体シリーズの明朝体のなかでも、「最も革新的な明朝体」、「明朝体を超えた明朝体」ともいえるのが「筑紫Q明朝」です。特徴的な、キュッと絞った小さなフトコロと、そこから伸びる長い手足のようなハライが、明朝体の枠を超えたダイナミックで伸びやかな表情を作り、手書き風の「かな」とともに、横組みではあたかも筆記体のような一体感とリズムを、縦組みでは日本語固有の縦書きのリズムを生み出します。引用:フォントワークス公式サイト公式サイトに書かれているように、「筑紫Q明朝」は、とにかくうつくしいハライの躍動感が作り出す表情が大変綺麗で素晴らしい書体です。パッと目を引く書体のため、見出しなどに使用すると良いです。使用したい場合は、フォントワークスさんのサブスクリプション型フォント提供サービスの「LETS」を購入することで使用可能です。■購入先リンクFontworks公式サイト内、LETS提供ページイワタ明朝体オールド「イワタ明朝体オールド」は、イワタさんで販売されているフォントです。2016年の芥川賞受賞作品である『コンビニ人間』(村田沙耶香著 文藝春秋刊) をはじめとする多くの文芸作品で使用されるイワタ明朝体オールド。映画化され大傑作となった原作『君の名は。』(新海誠著 角川文庫刊) では、漢字はヒラギノ明朝ですが仮名はイワタ明朝体オールドが使用されています。引用:design pocketdesign pocket(デザインポケット)さんの公式サイトにも書かれているように、多くの文芸作品本文でも使用されている書体です。シュッと引き締まったかたちで作られたボディで可読性を保ちながらも、「活字」然としたあやしくもうつくしい独特の佇まいを見せてくれる素晴らしい書体です。引用:イワタ公式サイト上記の画像はイワタさん公式サイトで組み見本の詳しい情報が見られるので、気になる方はぜひご覧いただけたらなと思います。イワタ明朝の詳細についてもっと詳しく知りたい方は、design pocketさんのイワタ明朝体オールドについての記事がとても丁寧でわかりやすくおすすめです。使用したい場合は、イワタさんの公式サイトから買い切りのかたちで購入可能です。■購入先リンクイワタ公式サイト内、イワタ明朝体ページA1明朝「A1明朝」は、モリサワさんで販売されているフォントです。「A1明朝」は、モリサワ最初期から長く愛されているオールドスタイルの明朝体です。漢字のゆったりとしたカーブと、かなの優美な表情が生み出す独特の味わいが特徴です。デジタル書体化にあたって、画線の交差部分に写植特有の墨だまりを再現するなどし、やわらかな印象と自然な温かみを感じさせる新しい書体として生まれ変わりました。可読性にも優れているので、ニュアンスを活かした大きな見出しから本文まで幅広く活用することができます。引用:モリサワ公式サイトA1明朝は心地よい温かさを持つカーブと、独特の墨だまりが特徴です。最近では、「君の名は。」や「天気の子」でもタイトルロゴに使用されていました。シリアスな雰囲気にも合いますし、しっとりした落ち着いた雰囲気を出したいときにも最適な書体です。使用したい場合は、リュウミンやヒラギノと同様、モリサワさんが販売されている書体のサブスクリプション型フォント提供サービス「モリサワパスポート」を購入するか、モリサワさんの取り扱い書体の中から好きな数書体だけを選んで使える「Select Pack」シリーズで購入することで使用可能です。■購入先リンクモリサワ公式サイトTP明朝「TP明朝」は、Type projectさんで販売されているフォントです。TP明朝は、明朝体に横画と縦画の太さの比率を自由に変えられるコントラストという概念を導入した、初めての日本語フォントです。全角横組みに最適化した書体設計を行い、デジタル環境での読みやすさと使いやすさを追求しました。引用:Type project公式サイトTP明朝製品ページType projectさんの公式サイトにも書かれているように、TP明朝には「コントラスト」という概念があり、TP明朝だけでも ローコントラスト ミドルコントラスト ハイコントラストの3種類があります。ハイコントラストは、知的で洗練された表情をもち、とくに細いウエイトの鮮烈な印象は類を見ません。デジタルサイネージやWEBのタイトル、ポスターやバナーなどの大きなサイズでの使用に適しています。ミドルコントラストは、3つのコントラストのなかでもっとも汎用性が高く、さまざまなメディアで利用することが可能です。デジタル機器などで横組みのテキストを表示すれば、安定した読みやすさを実現するとともに、新鮮な美しさをもたらします。ローコントラストは、ゴシック体を思わせる線率をもち、ディスプレイ上で自然に読める明朝体です。引用:Type project公式サイトTP明朝製品ページこのように、コントラストが高くなればなるほど、読んで字のごとく、線の細さのメリハリが大きくなり、シャープでスタイリッシュな印象に。逆に、コントラストが低ければ低いほど、線の細さのメリハリが小さくなり、安定感のある書体のイメージになるのですね。ヒラギノ明朝とTP明朝のハイコントラストを比較してみた画像が以下です。TP明朝の方が、横画のシャープさが目立つのがわかるかなと思います。この微妙な差異の印象が、TP明朝で組まれた文章全体の纏う空気をより澄んだものに感じさせてくれます。TP明朝以外に横画の細さが際立つ書体には、モリサワさんの「光朝」があります。「光朝」の方がTP明朝よりも力強い印象を与えるため、見出しなどでは光朝を使用する方が効果的な場面もありそうです。TP明朝を使用したい場合は、Type projectさんの公式サイトから、ウェイト/コントラストごとに買い切りのかたちで購入可能です。■購入先リンクType project公式サイト内、TP明朝ページおすすめの日本語有料フォント:ゴシック体こぶりなゴシック「こぶりなゴシック」は、字游工房さんが手がけ、SCREENグラフィックソリューションズさんで販売されているフォントです。素直でやわらかな印象を持つゴシック体。字面率を抑えた設計により、詰め組みでも美しく、読みやすい文字組みに仕上がります。雑誌組版に最適な、縦組も横組もバランス良く組める書体です。引用:SCREEN ヒラギノフォント総合情報サイトこぶりなゴシックは、詰めて組んでもうつくしく、文字がたくさん並ぶ雑誌の本文に使用してもとても綺麗です。私が発行している、文字を書く人のためのコラム雑誌「Nia」でも、本文組みはこぶりなゴシックを使用しています。ただ、こぶりなゴシックの欧文は、そのまま使うと少しだけバランスが崩れて見えることもあるので、欧文箇所のみHelveticaなどと組み合わせて使用するとより綺麗に見えるのでおすすめです。使用したい場合は、リュウミンやヒラギノと同様、モリサワさんが販売されている書体のサブスクリプション型フォント提供サービス「モリサワパスポート」を購入するか、モリサワさんの取り扱い書体の中から好きな数書体だけを選んで使える「Select Pack」シリーズで購入することで使用可能です。■購入先リンクモリサワ公式サイト新ゴ「新ゴ」は、モリサワさんで販売されているフォントです。「新ゴ」は、システマチックな雰囲気をもつ現代的なゴシック体です。装飾のない均質で明るいデザインは、文字ツメ処理なしに、タテ・ヨコ組ともラインや黒みの揃った美しい組みを実現します。スマートで洗練されたイメージは、あらゆるグラフィックデザイン、広告などの用途に最適です。大きなサイズではインパクトがあり、小さなサイズでも可読性が高いので、公共のサインからパーソナルユースの名刺まで、広範囲にお使いいただけます。引用:モリサワ公式サイト「新ゴ」は縦組み横組みでもうつくしく、スタイリッシュなイメージを醸しつつも、その可読性の高さから、どこか親しみやすい明るさのようなニュアンスも感じられる書体です。本メディア「Fare.(ファーレ)」のサムネイル画像でも実際に、新ゴを使用しています。使用したい場合は、リュウミンやヒラギノと同様、モリサワさんが販売されている書体のサブスクリプション型フォント提供サービス「モリサワパスポート」を購入するか、モリサワさんの取り扱い書体の中から好きな数書体だけを選んで使える「Select Pack」シリーズで購入することで使用可能です。■購入先リンクモリサワ公式サイト筑紫A丸ゴシック「筑紫A丸ゴシック」は、フォントワークスさんで販売されているフォントで、デザイナーは藤田重信さんです。デジタルフォントの標準的な丸ゴシック体とは一線を画す書体です。現代の感覚で味わい深い丸ゴシック体を設計しました。ふところの広い現代風なデザインではなく、ふところを絞ったデザインの丸ゴシック体です。「漢字」は幾何学的な直線処理ではなく、温かみのある丸みを帯びたラインを意識して設計しています。「かな」はニュートラルなデザインです。文字を組んだときの書風は格別です。引用:フォントワークス公式サイト「筑紫A丸ゴシック」は懐を絞った丸ゴシックで、柔らかすぎず、硬すぎず、絶妙な存在感でモダンに誌面を彩ってくれる書体です。この兄弟フォントとして、筑紫B丸ゴシックがあります。筑紫B丸ゴシックは、A丸ゴシックに比べると筆使いを感じる少し古風でクセのある書体です。macではEl Capitanからの標準搭載フォントとして、A丸ゴシックもB丸ゴシックも使用できます。Windowsユーザーの方で「筑紫A丸ゴシック」を使用したい場合は、フォントワークスさんのサブスクリプション型フォント提供サービスの「LETS」を購入することで使用可能です。■購入先リンクFontworks公式サイト内、LETS提供ページたづがね角ゴシック引用:たづがね角ゴシックMyFonts公式サイト「たづがね角ゴシック」は、Monotypeさんで販売されているフォントです。たづがね角ゴシックは、Monotypeの欧文書体、Neue Frutiger®に合う日本語書体として開発がスタートしました。Neue Frutigerのような〈安心感〉をもつヒューマニストサンセリフ体として、サイン・書籍・広告・Web等、用途を限定しない汎用性の高い製品を目指しました。漢字と仮名などの日本語の文字サイズに合わせて、あらかじめNeue Frutigerを拡大し、ベースラインシフトを施した状態で搭載しています。引用:Monotype公式サイト「たづがね角ゴシック」は、上記で書かれているように、視認性高く汎用性がありながらも、どことなく温かみを感じる読みやすく、ふれやすい書体です。使用したい場合は、Monotypeさんの「MyFontsページ」で購入することにより、使用可能です。■購入先リンクMonotypeのMyFontsページおすすめの日本語有料フォント:デザイン書体すずむし「すずむし」は、モリサワさんで販売されているフォントです。「すずむし」は、モリサワ「タイプデザインコンペティション 2012」和文部門でモリサワ賞 銅賞、明石賞、ファン投票1位と3つの賞を受賞したデザイン書体です。たくさんの墨を含んだ筆で書いたような、ふくよかで瑞々しい点画が親しみを感じさせる、かわいらしいデザインが特徴です。小さな字面に対して、あえて正方形にまとめない文字の設計が、アンバランスながらも、組上げたときに軽妙なリズムを生み出します。漢字、ひらがな、カタカナの字面の大きさの違いも相まって、文字に動きを与えることができるようになっていま引用:モリサワ公式サイト「すずむし」は上記で書かれているように、ふっくらしたボディと点画で独特の表情を見せつつも、かわいらしすぎず、雰囲気のある書体です。実際に同人誌のデザインに使用した際は、下記のように少し幻想的なイメージで使用しました。かわいらしいデザインだけでなく、こういったニュートラル寄りのデザインにも使用できる表情豊かな一面があります。使用したい場合は、リュウミンやヒラギノと同様、モリサワさんが販売されている書体のサブスクリプション型フォント提供サービス「モリサワパスポート」を購入するか、モリサワさんの取り扱い書体の中から好きな数書体だけを選んで使える「Select Pack」シリーズで購入することで使用可能です。■購入先リンクモリサワ公式サイト赤のアリス「赤のアリス」は、モリサワさんで販売されているフォントです。タイプバンクブランドのかな書体「TBかナ-赤のアリス」に漢字を追加した、レトロモダンなデザイン書体です。平筆由来の西洋風ストロークとクリアで柔らかなエレメント・骨格が特徴です。ゲームやコミックの表紙など、見出しやキャプションで可愛らしさを演出したい際に最適です。引用:モリサワ公式サイト「赤のアリス」は上記で書かれているように、もともとTypeBankさんで開発されている「TBかナ-赤のアリス」に漢字を追加した書体です。西洋風のタイトルデザインにぴったりの表情を持っています。使用したい場合は、リュウミンやヒラギノと同様、モリサワさんが販売されている書体のサブスクリプション型フォント提供サービス「モリサワパスポート」を購入するか、モリサワさんの取り扱い書体の中から好きな数書体だけを選んで使える「Select Pack」シリーズで購入することで使用可能です。■購入先リンクモリサワ公式サイトつばめ「つばめ」は、フォントワークスさんで販売されているフォントで、デザイナーは神田友美さんです。直線で表現された横画の終筆部のアクセントと、優しい曲線が特長の手書き明朝の書体です。字形によって幅広や背高などの大きさが異なり、文章を組むとコロコロとした動きの変化がコミカルな表情を見せます。素朴さや懐かしさ、和やかさを感じさせるデザインは、女性や幼年向けの制作物など言葉を印象的に表現するのに最適です。引用:フォントワークス公式サイト上記で書かれているように、「つばめ」は手書きっぽさが柔らかさと明るさを醸し出す、表情豊かな書体です。ポップで明るい雰囲気をだしたい時にぴったりの表情を持ちます。使用したい場合は、フォントワークスさんのサブスクリプション型フォント提供サービスの「LETS」を購入することで使用可能です。■購入先リンクFontworks公式サイト内、LETS提供ページパルラムネ「パルラムネ」は、フォントワークスさんで販売されているフォントで、デザイナーは越智 亜紀子さんです。ゆるい雰囲気にあどけない愛らしさを醸し出す書体です。漢字と仮名で異なるサイズの凸凹感が、文字を組んだ際にリズミカルな表現になります。軽やかに跳ねたテンとハライの特徴はタイトルやキャッチコピーを活き活きとさせます。引用:フォントワークス公式サイト上記で書かれているように、「パルラムネ」は文字単体が持つあどけなさに加え、文字を組んだときに、まるで不思議の国の看板に書かれた文字かのような、心踊る軽やかさが感じられる書体です。使用したい場合は、フォントワークスさんのサブスクリプション型フォント提供サービスの「LETS」を購入することで使用可能です。■購入先リンクFontworks公式サイト内、LETS提供ページラグランパンチ「ラグランパンチ」は、フォントワークスさんで販売されているフォントです。強烈なオリジナリティをもつ現行の「ラグラン-UB」の特長である《個性的でユニークな力強さ》に、さらに一文字ごとの視認性を向上させた書体です。従来よりも文字面を大きくデザインし、白抜き部分の穴(パンチ)の大きさや、線の交差する接触部や平行な線の隙間を広げることで、これまで同様の極太なインパクトをそのままに、見出しサイズでも文字の潰れが少ない使いやすい書体に生まれ変わりました。引用:フォントワークス公式サイト上記で書かれているように、「ラグランパンチ」はその名のごとくパンチのあるインパクト満載な書体です。アニメ、「キルラキル」で使用されていたことでも有名ですね。ただ強烈な印象を与えるだけでなく、明るく前向きな力強さを感じさせてくれるところがとても好きです。使用したい場合は、フォントワークスさんのサブスクリプション型フォント提供サービスの「LETS」を購入することで使用可能です。■購入先リンクFontworks公式サイト内、LETS提供ページレイルウェイ「レイルウェイ」は、フォントワークスさんで販売されているフォントです。「ロダン」をベースに二重の筆書き、もしくはアウトラインの内側と外側のラインで形成されるゴシック系書体です。インパクトはありますが、視覚的に威圧感を与えることのない、快活でオープンなイメージがするデザイン。引用:フォントワークス公式サイト上記で書かれているように、「レイルウェイ」は特徴的な二重線で表現される、開放感のある書体です。使用したい場合は、フォントワークスさんのサブスクリプション型フォント提供サービスの「LETS」を購入することで使用可能です。■購入先リンクFontworks公式サイト内、LETS提供ページまとめここまで、おすすめの日本語有料フォントをご紹介してきました。フォントは、どれをどのシチュエーションでどのように選ぶかによって印象がガラリと変わります。作りたいイメージがはっきりとある場合は、それに合致する雰囲気を持つフォントを、時には有料フォントから選んでみるのも手です。有料フォントについてもっと詳しく知りたい場合は、『目的で探すフォント見本帳』がよくまとまっているので、気になる方はチェックをおすすめします。リンク日本語フリーフォントについては、以下の記事でおすすめのフォントを紹介しているので、気になる方はこちらもぜひ、読んでみていただけたら嬉しいです。■参考記事【保存版】同人誌制作に使える!おすすめの日本語フリーフォントまとめこの記事の中に1つでも気になるフォントがあればぜひ、使ってみてください!

2019.08.19

【保存版】同人誌制作に使える!おすすめの日本語フリーフォントまとめ

同人誌を作るとき、必ず必要になるのが表紙や本文のデザイン。そこに使用できるフリーフォントを探したことはないでしょうか?この記事では、同人誌制作に使える、おすすめの日本語フリーフォントについてご紹介します!おすすめの日本語フリーフォント7選①こまどり引用:http://ymnk-design.com/%E3%81%93%E3%81%BE%E3%81%A9%E3%82%8A/ヤマナカデザインワークスさんご作成のフリーフォントです。フリーフォントとは思えないクオリティで、ポップなイメージの同人誌にぴったりの、独特のかわいいフォルムを持っています。無料版(mini)と有料版(Full)があり、商用利用の場合は有料版を購入する必要がありますが、同人活動に限っては、miniの無料版でも営利目的での使用が可能です。②からかぜ引用:https://enuoka.booth.pm/items/1219316エヌ岡さんご作成のフリーフォントです。絶妙に味のある手書き風フォントです。手書き系のデザインを取り入れて少し遊び心を加えたい時や、キャラクターの手書き文字としても使用できます。商用・個人利用可能です。③IPAex明朝IPA独立行政法人情報処理推進機構さん公開のフリーフォントです。癖の少ない明朝体で、小説本の本文などに最適です。特に、処理したときのダッシュ(ー)が綺麗なので、どの書体を本文フォントに使用するかで迷っている文字書きさんがいたらおすすめします。商用利用・個人利用可能です。④はんなり明朝引用:https://typingart.net/?p=44Typing Artさんご作成のフリーフォントです。柔らかくも上品な印象で、しっとり系や、ややシリアスめの表紙にぴったりです。本文中、印象的なキャッチコピーにシンプルに使用しても雰囲気がでます。商用・個人利用可能です。⑤しあさって引用:http://modi.jpn.org/font_shiasatte.phpMODI工場さんご作成のフリーフォントです。レトロさとポップさを兼ね備えた、元気でかわいらしい印象のフォントです。明るめの内容の本や、ラブコメ系の表紙におすすめです。商用・個人利用可能です。⑥こはるいろサンレイきんいろモザイクロゴの「ハロー!!」箇所のデザインを参考に制作された、GN's siteさんご作成のフォントです。やや横長の特徴的な形をしており、インパクトがあります。元気な印象の本にも、使い方によってはレトロな印象の本にも合いそうです。商用・個人利用可能です。⑦ビースト明朝引用:https://www.flopdesign.com/syotai/beastmincho.htmlフロップデザインさんご作成のフリーフォントです。正直、これを無料で使っていいのだろうかと思うほど高品質な明朝体です。独特の柔らかさと品格があり、きれいめな同人誌の表紙デザインにぴったりです。pixivへの投稿や、コミックマーケットなどの同人誌への使用のみ、無料版でも許可されています。それ以外の商用利用や、クリエイターとしてセミプロ以上の場合は、製品版の購入が必要です。おすすめのフリーフォント検索サイトfontfree引用:http://fontfree.me/fontfreeはその名の通り、無料で使える日本語フリーフォントが集まったサイトです。紹介されているフォントページからダウンロードページへ飛べるので、好きなフリーフォントを見つけてすぐにダウンロードすることが可能です。フォントの下に、商用利用可能なのか、個人利用のみ可能なのかも書いてあります。フリーフォントを探したい時には、基本的にはここを見るとわかりやすいです。FONT BEAR引用:https://fontbear.net/こちらも商用利用可能なフリーフォントを探せるサイトです。以前編集長welcaのツイッターでも紹介しましたが、FONT BEARさんは画像のかたちででサムネイルが大きく配置されているので、フォントの印象が伝わりやすくわかりやすくおすすめです。https://twitter.com/welcaaam/status/887978294125015040まとめここまで、おすすめの日本語フリーフォントと、フリーフォント検索サイトを紹介してきました。同人誌を作るときは、コンセプトから考えたりすることも多いのではないでしょうか。表紙のテイストに悩んだとき、フォントを眺めてインスピレーションを沸かせるのもおすすめです。日本語有料フォントについても気になる方は、下記記事もご覧いただけますと幸いです!■関連記事【保存版】一段上のクオリティを!おすすめの有料日本語フォントまとめ少しでも使ってみたいフォントが見つかりましたらぜひ、使ってみてください!