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"印刷データ作成" を含む記事

2020.03.14

本の部位の名称とは?【ノド・小口・天地…etc】

同人誌を作り始めたはいいものの、本の部位の正式名称がわからなくて混乱したことはないでしょうか。この記事では、ノドや小口、天地といったページ単位での本の部位について説明していきます。天地天地とは、見開いた本のページの中の、上部と下部の余白のことです。天が上部の余白、地が下部の余白です。読んで字のごとくですね。小口小口とは、見開いたページの持ち手側の余白のことです。つまり、綴じ側とは反対側にある余白の部分ですね。小口の余白が狭すぎる設定は、個人的にはおすすめしません。本を読むとき指が本文にかかってしまい、読み手にストレスを与えてしまいかねないためです。よって、最低10mm以上は空けるイメージで、少し広めに小口の余白をとれると綺麗です。ノドノドとは、見開いたページの背表紙側の余白のことです。本の綴じ側に近い余白、と言った方がわかりやすいかもしれません。無線綴じ同人誌の場合のノドの余白は、小口より少し広めにとることをおすすめします。理由は、綴じ側に近いがゆえに、ページ数が厚くなればなるほど綴じ側に紙が引き込まれていくので、ノド側が詰まって見えてしまうためです。特に小説本はページ数がかさみやすい性質上その傾向が強いため、注意が必要です。ノンブルノンブルとは、見開いたページの中のページ番号のことです。恥ずかしながら、私は同人誌を作り始めるまで、ノンブルという名前があるとは知らず、ページ番号以外の呼び名などないと思っていました。。でも、ノンブルは印刷所さんと印刷データについてのやりとりをさせていただく中では必ずでてくる単語です。「ページ番号=ノンブル」と覚えておくようにしましょう。柱柱とは、見開いたページの中の本タイトルや章タイトルのことです。小説本でよくみられるものですね。この部分は、本文のフォントサイズよりもふた回りくらい小さなサイズでレイアウトすると綺麗に見えやすいです。まとめここまで、本の部位の名称について説明してきました。天=本上部の余白地=本下部の余白小口=持ち手側の余白ノド =綴じ側の余白ノンブル=ページ番号柱 =ページ内の本/章タイトル細かな名前が多いですが、覚えるとスムーズに印刷所さんとやりとりができます。よって、少しずつ覚えていけるとすごく良いです。印刷所さんのサイトにも、用語集のようなページがあったりします。気になる方はそちらもぜひ、チェックしてみてください!

2020.03.14

断ち切り(裁ち落とし)とは? 原稿作成時の注意点まとめ

同人誌の原稿データを作るとき、忘れてはならないのが「断ち切り」です。この記事では、断ち切り(裁ち落とし)とは何か?の説明から、作成時に注意すべきポイントまで、わかりやすく解説していきます。断ち切り(裁ち落とし)とは?断ち切り(裁ち落とし)とは、印刷物が製本される過程で断裁される際に、断裁ずれに備えた予備の印刷範囲のことです。なぜ断ち切りが必要なのか、というと、印刷物ができあがるまでは大まかに、 印刷 製本 断裁というフローで進みます。その際、印刷物を断裁する時に、若干のズレが生じる可能性があるためです。機械とはいえ、完璧にそのサイズに裁断し続けることは困難な現実があります。よって、3mm程度の「塗り足し」を作りたいサイズの原寸に加えて、断ち切りに備えた印刷データを作るのです。原稿を作る時に注意するべきこと2点①作成する印刷物の「塗り足しあり」のサイズを確認する作成データには、原寸(仕上がり)サイズと塗り足し(断ち切り分を考慮した)サイズがあります。たとえば、B6サイズであれば下記です。B6の原寸(仕上がり)サイズ・182mm×128mmB6の塗り足しありサイズ・188mm×134mm仮に原寸サイズで作ってしまうと、本来のサイズから3mm断ち落とされてしまいます。つまり、意図していない印刷物が出来上がってしまうことになるのです。印刷所さんには大抵、原寸サイズと塗り足しサイズそれぞれのサイズが示されたページが存在しています。よって、同人誌を作る際はそのページをしっかりと確認し、うっかり原寸サイズでデータを作ってしまわないようにしましょう。②仕上がり線より2~3mm離したところに文字を配置する次に確認したいのは、仕上がり線ギリギリに大切な文字が配置されていないかどうかです。仕上がり線ギリギリに要素を配置した場合、塗り足しを3mm作成しているとはいえ、裁断時の誤差で文字が切れてしまう可能性があります。よって、仕上がり線の内側に要素を配置するだけでなく、仕上がり線よりさらに3~5mm離した場所に絶対に切れてほしくない要素は配置するようにすると安全です。まとめここまで、断ち切り(裁ち落とし)について説明してきました。同人誌を作り始めたばかりの頃は、裁ち落としをつけるのを忘れてしまったりして、私自身たくさん失敗をしたりしました。■参考記事私が同人誌を作った時にした失敗・もっと早く知っていればよかったことまとめ今となっては、当時もっとしっかり印刷所さんの説明ページを読んでおけばよかったなあと思います…(笑)この記事を読んでくださっている方には私と同じ失敗はしてほしくないので、同人誌を作られる際はぜひ、断ち切りに気をつけて、綺麗な新刊を作りましょう!

2020.01.25

これだけは知っておこう!同人誌制作における4つの解像度とは?

同人誌を作る時、切っても切り離せない「解像度」。名前だけ聞いても、正直よくわかりませんよね。同人誌制作では基本的に、 72dpi 300〜350dpi 600dpi 1200dpiの4つの解像度をよく使用します。この記事では、同人誌制作でよく使用する解像度について、わかりやすく解説していきます。解像度とは?解像度とは、画像のディスプレイの表示や印刷の細かさ(密度)を示す度合いのことです。単位は一般的には「dpi(dot per inch)」もしくは「ppi(pixel per inch)」が使用されます。直訳すると、1インチあたりのドット/ピクセル数という意味ですね。つまり、1インチあたりのドット/ピクセル数密度が細かければ細かいほど対象を細かく表現でき、高い解像度になるということです。ちなみに、dpiは印刷時にプリンターなどで出力する際の解像度の単位で、ppiは画面上の画像解像度を指しています。よって、Adobeなどの画像ソフトではdpiではなくppiが使用されています。同人誌制作でよく使用する解像度は「72dpi / 350dpi / 600dpi / 1200dpi」結論から言うと、同人誌制作でよく使用する解像度は下記4つです。カラー印刷(RGB/CMYK)カラーモードがRGBとCMYKの場合に使用する解像度は、350dpiが一般的です。グレースケールカラーモードがグレースケールの場合に使用する解像度は、600dpiが一般的です。モノクロ二階調カラーモードがモノクロ二諧調の場合に使用する解像度は、600~1200dpiが一般的です。web用画像印刷とは異なり、Web用に使用する画像の解像度は、72dpiが一般的です。カラーモードの仕組み印刷で使用する解像度は、対象のカラーモードによって変わります。対象のカラーモードがRGB,CMYKの場合は350dpi、グレースケールの場合は350dpi〜600dpi、モノクロ二諧調の場合は600〜1200dpiです。理由は、印刷に必要な解像度はスクリーン線数の2倍と言われており、一般的な印刷に使用される「スクリーン線数(line per inch)」が175lpiのため、175×2=350で350dpiというわけです。モノクロ二諧調のみ、解像度が600〜1200dpiと高いのは、白と黒のドット(ピクセル)のみで画像が表現されるカラーモードのためです。モノクロ二諧調はグレースケールとは違い、中間色のグレーがありません。よって、画像を滑らかに表現するために、グレースケールよりも多くの画素を必要とするのです。また、Webで使用する画像はサイズ(縦pixel×横pixel)のみに注意しておけば、解像度は基本的に「72dpi」で十分です。理由は、Webでの解像度は表示するディスプレイの解像度に依存するためです。よって、必要なサイズさえ満たしていれば、解像度が高い必要はありません。むしろ、解像度が高すぎる画像はそれだけ重くなってしまうため、表示速度低下に繋がることから避ける方が無難です。Photoshopでの解像度の設定方法Photoshopでの解像度の設定方法は、新規作成時であれば「ファイル→新規」をクリックし、ポップアップででてきた設定画面から任意の解像度を入力すれば完了です。すでに作成したデータの解像度を変更したい場合は、「イメージ→画像解像度」から変更が可能です。このとき、もともと小さい解像度の数値を大きくしても、高解像度になるわけではないことだけは注意してください。高解像度が必要な場合は、はじめから高解像度で作成するようにしましょう。カラーモードについてもっと知りたい方は、をご参照ください。まとめここまで、簡単に解像度について解説してきました。 解像度とは「画像のディスプレイの表示や印刷の細かさ(密度)を示す度合い」のこと カラー印刷(RGB/CMYK):350dpi グレースケール:600dpi モノクロ二階調:1200dpi web用画像:72dpi上記を基準としてデータを作成しつつ、同人誌の場合は最終的に、入稿先となる印刷所さんの解像度指定ページを見ておけば安心です。特に指定がなければ、上記の解像度で作成しておけば基本的には問題ありません。解像度をまちがえないように綺麗なデータを作り、綺麗な同人誌を作りましょう!